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かつ対等な女性の社会参加なくしては、持続可能な社会開発、人口問題の解決は政府としても決して実行できないと強調されました。
大統領は、アジアを21世紀の巨人と位置づけ、新しい21世紀を迎えるにあたり、社会、文化において女性が重要な役割を担うことを指摘しました。女性こそが成長、変化の担い手です。私たちが十分に力を尽くし、権利、特権を分かち合い、女性と意思決定を分かち合うことが問われているのです。
今、アジア太平洋地域は大いに発展していますが、まだまだ貧困、苦しみにあえぐ国々があります。だからこそ、私たちはマニラ決議にうたわれている精神を立法として具体化していくことが大事だろうと思います。
女性のエンパワーメントこそが人口問題の鍵であり、社会開発にとっても必須であると考えております。男女がパートナーであることが、人口プログラムの成功の鍵です。何も逆差別をしようということではなく、男女の間で、ほんとうの意味の平等を実現したいと思います。優劣の問題ではありません。互いに尊重し合い、人間としての尊厳を守り合うことの対等のパートナーシップを私どもは求めているのです。
確かに、この地域は文化、宗教、政治、経済的にも多様性に満ちた地域です。しかし、それでもコンセンサスは必ず育むことができると信じております。特に、基本的な人権問題については、必ずや共通の認識が生まれるはずです。
16カ国から50人あまりの国会議員の先生方が集ったこの会議が閉会に際し、私たちは改めてアジアの政治の指導者として、世界に発信をしていく、その誓いを新たにしたいと思います。女性が平等、公正な地位を獲得できるよう、今までの女性の闘いが無駄に終わることがないよう、世界の国会議員に私たちが発信していきたいと思います。
そしてこれからも、政府、立法の努力にあたって、常にこれを心掛けていきたいと思います。すばらしい仕事をしました。今は、祝いの瞬間であろうと思います。しかし、女性の問題を考えるとき、将来だけではなく、現在も見なければならないと思います。人間の改革の中で女性は常に重要な、中枢的な役割を果たしてきました。しかし、ジェンダーという偏見で見られていたために、女性の貢献が、正確に認識されなかったと思います。
18世紀ヨーロッパでは産業革命が起こり、19世紀にはアメリカでも産業革命が行われましたが、そこは男性の産業革命でした。当時の産業革命に必要な筋肉を持っていたのは男性です。もちろん、脳味噌がなかったわけではありませんが、当時の産業の革新をするうえで必要だった筋肉と頭脳を両方持っていたのは男性だったのです。すなわち、産業革命当時そのような機械を利用しようにも、それだけの体を身体的に女性は持っていませんでした。
しかし、21世紀を迎えようとする今、第二次革命が進められております。この第二

 

 

 

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